主演
ツォン・シュンシー
リウ・ユーニン
ヤン・チャオユエ
バロン・チェン
モン・ズーイー
原題 説英雄誰是英雄
〜最終話
前回のブログはこちら↓
ネタバレな感想なのでご注意!
結末まで感想ネタバレしてます。
キャラクター生死を含めネタバレOKな方のみどうぞ
だんだんと皆の精神的な距離が離れていく後半。
ヤン・チャオユエ演じる温柔はヒロインのはずだけど、ここまで目立ってなくて、モン・ズーイーの方がヒロインみたいな位置。
でもキャラ的に出張らない温柔は好感が持てます。
これから活躍するんだろうし。
男同士がメインの話で女キャラが出張るのはいただけないので。
この話はそのせいかすごく面白く感じる。
モン・ズーイーはこういう役が似合います。
お嬢さまな役よりもちょっと黒化してる状態。
まず最初に雷純が闇堕ち。
色々誤解がありつつこうなるのは定番。
次に愁飛が真っ黒になるけど──
いろいろあったうえでこうなるんだけど、この決定打が小石が死んだと言われたこと。
ここ大事で、彼が死んだと言われた途端に精神崩壊起きちゃったんだよね。
もうどうでもよくなっちゃった。
あんなに頑張ってたのにね。
──お前がいたから俺はまっすぐに進めた──
──お前がいなかったら俺は生きていけない──
そんな風に言ってるように"心の声"が聞こえたんどけど、私の空耳でしょうか(笑)
思えば可愛いじゃないか。
小石が居ないと駄目になってしまう愁飛。
それはそれでとても萌えな設定だ。
しかし話の中ではそんなことはいってられない。
細雨楼にとっては絶対絶命のピンチだ。
逃避行の小石と温柔。
崖から落ちたのは"小石"で死んだと言われたけれど、死にそうになったのは"温柔"の方だ。
小石は落ちたけど崖落ちあるあるでぴんぴんしてる。
しかも崖下には父親の遺体。
この時点で白骨死体のそれが父親だとは知らないけど、夢だか幻を見て技習得。
江湖ものあるあるのスーパーサイヤ人……じゃないけど、スーパーだか、ハイパーになったのは間違いない。
そして結婚式。
闇落ちした二人。
立派な結婚式に心通わぬ醒めた二人。
片や簡素だけれど相思相愛の二人。
ラブロマンスで凝ったプロポーズ出て来るけど私はあれがあまり好きじゃない。
そんなことしないと愛が伝わらないのかよとちょっとイラッと来るへそ曲がりです。
それに比べて今回の小石のように手ぶらで、何も無いけど愛してるよ、妻になってくれー!とストレート単純に告げてくる方が"良くやった!"と誉めたくなる。
とにかく離れ離れの4人は対照的?対比的?な結婚式を挙げる。
これは演出や構成が成功してる。
交互に出てくるジーンがことごとく対照的。
しかし赤い衣裳が一番似合うのはこの人なのだ(笑)
後半病んでるだけでろくに動けないのに何でこんなに格好いいの?
存在感だけですごいのよ。
今までも、このままイケオジになるんだろうなぁと思ってたけど、今回この役は存在感凄くてまだまだ主役でもいけるんじゃないかと思ってしまった。
間違いなく作品中一番格好いいキャラで若手を喰ってしまってる。
愁飛は雷純を連れて蘇夢沈の元へ。
挨拶と言う名の嫌味の応酬。
愛憎が三者三様の様子を見て頭の中にある言葉が浮かんでしまった。
日本の任侠にもこんな言葉が……
"意地と見栄の張り合い"
3人に贈る言葉です。
小石は小石で城外で大変な目に遭ってるけど、覚悟を決めて都へ戻ることに。
愁飛は戻った小石に"お前は変わった!"と言われて、
"お前が死んだからだぞ!"と答える。
これは盛大な愛の告白に聞こえたわ。
小石には拒絶されてしまったけどね。
お前が死んでしまったから俺は変わってしまったんだというセリフがこのドラマ一番のセリフだわ。
まぁそんなこと言われても小石は困るところだけど。
この時点でお察し。
愁飛は雷純なんかどうでも良くなってるじゃん。
小石に出会ってから彼に人生を左右されてるんだよ。
なのに同じ道を歩めなかったのはそれこそが最大の悲劇なんだな……
ここまで来れば愁飛の最後は予想がつくし、蘇夢枕に至っては病で死ぬか、それ以外かしか残ってないものね。
しかしちょっとだけ愁飛の最後は予想外だった。
あの死ぬまでの諸々はどういった趣旨なんだろう?
監督か、脚本家か、何かこだわりがあったのか?
なんだか無用ないろいろがあったような気もする。
蘇夢枕はもっと派手な死に方かと思ってた。
原作を知らないのでどれが原作の通りでどれがドラマの脚本なのかわからないで言ってますけど、全体的には本当に面白かった。
しかし……
いろいろ細かいことでは言いたいこともあります。
相変わらず女の扱いが雑。
これも知らないで書きますけど、スタッフが男ばかりなんだろうなぁと。
女性の意見が通る現場ならこんなに女キャラの扱いが雑なわけない。
どこかで見え隠れするんだよなぁ、
「女は子宮でものを考えてる」って言う差別的な考えがベースにチラつくわけ。
女はこうだろう、こういう女は可哀相で同情を誘うんだよと言う短絡的な考えが。
これも中国ドラマあるあるなのは否めない。
書くのが最後になってしまいましたが、忘れてならないのがこの人、
"狄飛驚"
蘇夢枕が一番格好いいと思えるから地味にみえてしまうけど、この人はなんて素敵なお兄さん。
主役たちの仇役として登場するからメインからちょっと外れた立ち位置だけど、登場したその時から存在感半端ないし、強いし、実は優しいし、何より正義の人。
そうなのよ、正義というのはこういうことだ。
自分を救ってくれた人のために尽くす前半。
子供の頃に主の奥様に拾われたから主に命がけで尽くす。
主が間違っていると思いながらも自分の大切な人だから尽くす。
しかしその主に一番大切なのは誰なのだ?と聞かれたら、雷純ですと答える正直さ。
その答えを聞いてお前は信用できると主に言われる。
多分主に問われて嘘をつかなかったから。
そして主が死んでからは、女として妹として自分の一番大切な雷純のためだけに生きて死んでゆく。
これぞ義侠じゃないのか?
自分の信じた道を一人貫き通す。
しかも自分の気持ちを相手に押しつけることなど一度もなかった。
だから彼女も彼を最後まで信用して(兄として)愛してた。
愁飛には見習ってほしかったわね。
残った小石と仲間たちの新しい素敵な旅立ちと、最後の最後にまた登場する戚少商……
これって原作がいろいろ繋がってるんですよね。
原作ものは読めないのでさっぱりわからず噂程度のことしかわからないけど。
最初と最後の旅立ちが余りに違うのが江湖の悲劇。
移り変わりが激しいのも江湖ってことかな。