ホァン・シャオミン
リウ・ハオラン
トン・リーヤー
チャン・ホイウェン
原題 琅琊榜之風起長林 (全50話)
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ネタバレな感想なのでご注意!
結末まで感想ネタバレしてます。
キャラクター生死を含めネタバレOKな方のみどうぞ
「麒麟の才子」の方があっという間に進んだのに、こちらはなんだか進みが遅く感じるのは、前作は梅長蘇が仕掛けて敵が翻弄されるのを待っていたのに比べて、今回は敵方が罠や復讐を仕掛ける方でこちらが受け身のせいな気がします。
こちらが復讐する側に立った方が面白いのは当然だと思います。
この話は終盤にならないとこちらが追い詰める側に立たないので、じっと我慢して見るしかないのですよね。
前半の敵は濮陽纓です。
彼の筋違いな復讐心のために多くの人が死ぬことになります。
まず彼は皇后に取り入り、萊陽太夫人を利用します。
彼女の恨みは数十年前に遡ります。
故郷から二人で嫁いできたのに、ひとりは陛下の寵妃、自分はその弟の夫人。
そこで幸せならまだ良かったのでしょうが、その夫が軍の費用を横領。
軍のことに重きを置いていた先帝(景琰)の怒りを買い死罪に。
その時の詳細をやらないのですが、あの景琰が自分の次男を殺す程なのだし、当時の皇太子や庭生も止めなかったのか、止められなかったのか、実行されているということは相当悪辣だったのだと想像できます。
夫人や息子は無事だったのだからそこは温情を掛けたのでしょう。
実はこれに加担した者がいました。
例の庭生と一緒に救われたほか二人のうちのひとりです。
三人組の年齢は庭生が真ん中で年上の少年がいました。
この路原が加担したものの悔いて告発したのが発端でした。
そしてこの路原は妻と自殺。
その息子が平章だったのです。
萊陽太夫人は長林府や平章のことも逆恨みしていたと言うことだし、利用もされていました。
長林府の事情としては、庭生は平章の人柄を愛していて、実子の平旌よりも長子として家を継ぐのに向いていると判断したのでしょう。
迷わず彼を跡取りにしていました。
ただ家中には実子の平旌に継がせるべきと思っている古参の者も居たようです。
子供ができない理由はずっと昔の因縁からの巻き添えみたいなものです。
「麒麟の才子」は梅長蘇の真実を解明するのがテーマでしたし、悪に加担したものを排除して行く話で進むにつれて爽快になったものですが、こちらは親世代からの恨みつらみ、それって逆恨みとか筋違いじゃないの?という出来事が次々と出てきます。
前半はこれのオンパレードで、あまり気分のいい話ではありません。
それらのラスボスが濮陽纓です。
彼の思惑も逆恨みも甚だしい上に、彼はそもそもその性根が良くないと元居たところも追い出されているわけですからそういう人間なんです。
ただタチが悪くて、毒を使って長林府の兄弟を陥れて置き土産をしていった。
"毒"……物理的な毒だけではなくて、元啓の心にも"毒"を置いていった。
中盤は"毒"を巡るあれこれです。
最終的には兄が弟を救うために自分の命を投げ出します。
兄はずっと後ろめたさを抱いていたでしょう。
自分は犯罪者の子供でありながら救われ、養い親にこれ以上ない愛情を注がれた。
跡取りにまでしてもらったけれど、それらの本当の持ち主は弟だと知っていた。
弟はあとから知ったけど、兄の方がふさわしいと思ったし、なんの問題もなかった。
兄の平章は正しい心の持ち主だからこそ苦しんだというのは皮肉です。
邪悪なら不幸、しかし善良でも苦しむ。
これは皮肉ですかね。
そこにはもちろん無条件の愛情が存在します。
親子兄弟、惜しみない愛情が互いに存在している。
だからこそ互いに苦しんでもいる。
弟が死にそうになった時、兄はなんのためらいもなく自分の命を与えた。
あとで知った弟は死ぬほどの苦しみを味わう。
これは何がどうなっても救われない。
時が解決するのを待つだけです。
天命なのか、タイミングも悪かった。
戰が起こらなければ、兄の治療の時間もあったのですが、それすら与えられなかった。
二つに一つの選択肢しか与えられなかった。
この時の平章夫婦のやりとりが切ないです。
頭を下げてそばに居て生きてほしいと願う妻と、頭を下げて死ぬことを許してほしいと請う夫。
身動きも選択肢も与えられない夫婦の姿です。
そして平章は死に平旌が目覚める。
元啓の心に野望と邪悪さが植え付けられて、後半は世代交代と謀反の行方です。
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