ウー・レイ
チャオ・ルースー
原題:星汉灿烂,月升沧海
〜最終話
前回のブログはこちら↓
ネタバレな感想なのでご注意!
結末まで感想ネタバレしてます。
キャラクター生死を含めネタバレOKな方のみどうぞ
太子はこの不疑の復讐劇の前に太子妃ともめ事になり、彼女は廃妃に。
太子妃も悪い人じゃ無いと思ってたんだが、ある意味とんでもない人だった。
夫婦の中だけで揉めてるなら仕方ない。
太子が昔の女をまだ好きなのかとひとり相撲。
昔の女を好きでも仕方ないじゃん。
皇族になったから意に染まぬ結婚したんだよ。
このドラマだけでもそんな人ばっかりだよ。
皇后と越妃を見なさいよ。
両思いなのに二番手の地位しか与えられない越妃。
思い合ってる二人を常に横目で見ながら隣に立ち、無理してでも威厳を保とうとしてる皇后。
一番身近にそんな見本があるのに理解できなかったのか。
しかもあろうことに夫婦げんかするならまだしも、実際には太子は浮気などしてないのに疑って過去の相手の女性をずっと陥れてた。
自分の旦那が昔好きだった女だからと何年にも渡って陥れてきたとか、怖ぇーよと思ってしまった。
そんななので、廃妃にされても仕方ないのですが、このことだけではなく、ことごとくその性格が災いして上手く物事をおさめられない太子。
実は今回不疑が仇討ち出来たのも太子が間抜けだったからです。
これは大問題。
しかも今回の後始末を綺麗にやり遂げたのは三皇子。
実は三皇子は以前から太子の座を狙ってた。
でもまぁ悪意があって狙ってたというよりも、兄が皇帝になったらこの国は……みたいな想いからだよね。
そして太子のために自分を廃妃にしてくれと言う皇后。
苦肉の策に仕方なく皇后が宮に籠もることを許す皇帝。
そしてそして、表のそんな事情をすっ飛ばしても収まらないのは少商。
彼女はきっと不疑が自分を巻き込んだなら納得できたのでしょう。
けれど最後の最後まで打ち明けてもくれず、説明もなかった。
勝手に置き去りにされて、あげくのはてに崖の上に置き去りにされて一人で落ちていった彼を到底許せない。
多分心の中は
よくも私を置き去りにしたわね
だと思う。
連れて行って貰えないのは、信じて貰えてないとか、必要とされてないとか……なんかわかるなぁ。
今までの私はなんだったの!ってことよね。
利用だけしてたってこと?
そうじゃないと思うけど、そう思われてもしかたないよなぁと思います。
少商は不疑が許せないので、成婚は返上。
婚約破棄だね。
周りはやきもきしたけど彼女の決意を翻せる人なんて居ないしね。
不疑は大怪我だったけど、敵討ちが終わったことと彼女を自業自得で失ったことの心神喪失は激しかったと思う。
不疑自身は罰を喰らうと思っていたのに皇帝からは絶賛しかないし、婚約破棄は少商の気持ちを尊重して黙って受け入れるしかない。
不疑にとってはこれが一番の罰だったね。
それから五年。
引きこもる皇后に付き添う少商。
国境で戦に明け暮れる不疑。
彼はそのまま死ねれば良しと思ってたんだろうけど、何しろ強いからね。
死んだら終わるし(笑)
そして──
皇帝に呼び戻される。
二人は再会するもわだかまりは簡単には溶けず、互いに納得の上で再び別れを決める。
再会したあとは内心はともかく、穏やかに話し合って将来を決めた。
愛しているけれど五年経っても心の整理はつかないってところかなぁ。
この別れを告げたあとに離れてゆく二人のカットが涙を誘うのです。
当の二人も泣いている……
その間に皇后も亡くなった。
皇后が亡くなるシーンは涙ボロボロこぼしたわ。
控えめですべてを我慢して受け入れてた彼女がその時に本心を吐露した。
陛下に対しても
「出会えて嬉しかった、来世は会いたくない」
──なんて正直な言葉。
愛しくて苦しかったんだろうと涙した。
越妃とは本当にいい関係で本当の姉妹なら良かったのにね。
子供たちにも不疑や少商にも想いを告げてた。
この少し前、来世は私の子供に……って言ってたんだよね。
不疑も少商にも自分の子供同様に愛を与えて、今生で家族の愛情を得られなかった二人に来世はあなたたちの母になりたいと願ってた。
実際はこれだと二人は困るかも知れないけど(笑)それくらい思われてたということです。
更にその間にどうでもいい女が再び登場したんですけどそれは別にいいや。
もう一人袁慎と言う男。
最初の頃こそなんとウザい男か……と思ったものですが、大人になるにつれ一定の距離を守り少商を見守り続けました。
ずっと好きなのは丸わかりだったけど、求婚したのは彼女が傷心だったその五年後のとき。
多分無駄だとわかりつつも1度は告げたかったんだろうねぇ。
何気に彼は最初から最後までずっと出ていたんですよね。
結果的にいい奴だったと思います。
五年経っても少商が頑なかなぁとも思ったんですけど……
自分に置き換えて考えてみた。
中盤まではもっと妥協しろよ、私なら云々と言ってましたけど──
あの置いてきぼりの後のことを考えると、あれはちょっと簡単には許せないかもです。
散々オレが守るとか、俺に任せろとか言われ続けたあとで、彼自身のことを隠され、あまつさえ勝手に崖の上に残されて一人死なれたら残された立場としては立ち直れない。
結果生きてたけど、生きてて良かったけど。
だからといって二人の間がハッピーかと言われたらそうじゃないものね。
これは許すまで時間が掛かるし、その後の自分の気持ちが死んでしまう。
一人取り残されたときに身体は生きてても心が死ぬよね。
そんなこともわからないのかと彼を恨むのは仕方ない。
だからこの件については少商と同じだなぁ。
許すとか許さないとかの前に、
私はあの時死んだのですと私なら言う。
これを元に戻すのには、沢山の時間かあれを乗り越える事件が無いと無理だね。
再び別れを決めてもまだ二話残ってるんですよ(笑)
まだなんの事件よ!と思う。
やり直すきっかけが無いとダメだからね(笑)
大団円に向かってあと二話だよ(笑)
舞台は地方に──
何の因果か、場所はあの驊県です。
序盤に叔父夫婦と旅に出て賊に襲われ不疑に救われ、戦の跡地で生死を学び楼垚と結婚の約束をした地です。
今、叔父夫婦は出世して別のところにいて、そこには楼垚夫婦がいる。
まさにそこで事件です。
取って付けた感は否めないがまぁいいでしょう。
必要なのは事件そのものではなくてメインカプが再び愛を取り戻す事件だからねぇ(笑)
少商ピンチになる→不疑が助けに来ると言うデフォルトパターンを取り戻して、不死身の不疑は健在。
爆破とか村ごと焼き討ちとか、派手なシーンが続きます。
最後までスピード感は緩めない。
最後のピンチには少商の実家総出で助けにやってきました。
母は娘に「母が助けに来たよ!」とやっと娘のために何かが出来ると喜んでました。
よく考えればヒロインは始めから勇ましかったけど、そもそもこの一家はみんな武将なのよ。
父も母も兄たちも……そして兄嫁になったヒロイン親友も、そもそも将軍の娘で武芸自慢の娘だった。
戦力には余りある(笑)
気弱だった従姉妹まで勇ましく登場してた。
従姉妹は最初から最後まで慎ましく優しい女の子だったね。
頼りないかもしれないけど、意地悪でもなく、少商の正反対の分身だったのかも知れない。
幸せな結婚が出来て良かった。
この一件で二人は目出度しの仲直り。
やはり爆発の時不疑が死んだかもと思ったのは大きかったよね。
なんの文句があろうと、死んだらおしまい。
置き去りにされたことをずっと怒っていても、それは相手が生きているからこそだからね。
死んだら何もかもおしまい。
二人で生きてることこそ意味があると気がついたのではないでしょうか。
二人で星を眺めて語り合ってました。
このシーンがまさに「星漢燦爛」なんだろうね。
他の家族も出てきてみんな仲良く空を見上げるラストシーンが本当に「良かったね」「平和が一番」だと感無量になれるシーンです。
とても楽しいドラマでした。
すぐにでも見返したいくらいお気に入りです。
記事も長々と書いてしまいました。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
2巡目の感想記事はこちら↓