チャン・ルオユン
原題 顕微鏡下的大明之絲絹案
全14話
ネタバレな感想なのでご注意!
結末まで感想ネタバレしてます。
キャラクター生死を含めネタバレOKな方のみどうぞ
通称"算術バカ"
最初はサヴァンかなぁと思ったのですけど、ある程度は会話が成り立ってるし、ちょっと違うのかな。
コミュ障ではありそうだけど、単純に数字好きのまさに天才的な算術バカと言うことかも。
話数が短いと思ったら原作を知ってる人によると、全体のごく一部なようで、続編あるのかはわかりませんけど。
恋愛ものとか、バディものと言うわけでもなく、ただただ計算の話。
こういう話はつまらないと投げてしまった人も多いと思うし、わかります。
私は面白かった。
色恋のお話よりもこういうものの方が好きです。
この話は──
一言で言うと税金の話です。
チャン・ルオユンは確かにこういう役が似合うなぁと思いました。
シリーズものが多くなってさっさとそちらを進めてほしいけど、どちらにしろ彼ひとりでやるわけではないからね。
主人公の帥家黙は小さいときに両親を亡くしてて、なぜか数字に拘ってる。
算術が天才的だけどその中でもある数字に拘りがあって、でも本人すらその数字の意味がわからない。
彼の住む場所でそこだけがある税金を払ってることに気がついてしまった彼はその謎を追い掛け始める。
彼は得をしようとか、誰かのためにとかは全然思ってないし、思わない人。
むしろ社会に馴染めていない奇人だし。
けれど数字の矛盾は許せない。
数字は嘘をつかない。
矛盾があるはずないのだから、合わないと言うことはそこに嘘が有り、間違ってること。
数字の嘘は正さなければならないと思う。
正すことで何度も狙われて、処刑寸前にまでなるけど、命を取られると言われても間違いは正す、と言うよりは計算し直す──という話。
言うまでもないですが、文字書きが趣味の時点で私は文系の人間です。
ありがちかと思いますが、私は理数に弱い。
学生時代は文系ほぼ満点、理数赤点すれすれという両極端で過ごしてきました。
数字は嫌いです。
以前、理数が得意な友人に言われました。
数字は簡単に正しい答えが出るのに、答えが何通りもある文系の答えの方がよくわからない。
私にしてみれば何通りもの答えがあるから楽しいのですが、理数好きな人にはそれが意味不明となるようです。
この辺りは本当に好みの問題なのでしょうね。
当然このドラマで出てくる難しい数式なんてわからない。
と言うか、考えること放棄してしまいます。
そんな私でも面白い話でした。
つまりはオタクの話だからです。
納得するまで突き詰めたい。
周りは気にしない。
自分の好きなこと、得意なこと、周りに理解されなくても自分の思うとおりに突き進みたい。
周りの空気なんて関係なくて熱く語ってしまう。
誰も聞いてないのに(笑)
オタクの人が見たならみんな面白いと思うはず。
そういう話です。
帥家黙が主役ですけど、彼が出てないシーンも多い気がする。
登場人物がそれなりに多いし、役職名もなんだかわからない。
分からないまま見てました。
大丈夫です。
簡単に言えば、
税金間違ってるよ、と訴え出ると当然そこの役場の責任者出て来て対応する。
帰れ帰れと追い返される←良くある話。
この繰り返しなんです。
出て来た役人に話が通じない、もしくは訴えを潰されると、それじゃもっと上の人に話してみるねと言う感じで、危機に陥るとその上に話を持っていく。
また殺されそうになる。
更にまた上の人に……
前の人間に代わってどんどん上層部が出張ってくる。
それは中央の人間に近づくこと。
ある程度上の人間は間違いではなく不正だと簡単に気がつく。
気がついてどうするか?
自分に都合が悪いから帥家黙を殺そうとするか、この件を自分の手柄にして利用しようとするか。
もしくはこれ以上自分のところの税金が増えてぎりぎりの生活を強いられている民が困窮しないように見ない振り知らない振りをするか。
そこには様々な立場、様々な思惑があります。
その中で浮かび上がる帥家黙の父親も同じことに気がついていて殺されたのではないかという疑惑。
親子二代にわたっての数字バカであり、正直者だからこそ陥れられてしまった。
そして何が本当に民のための正義なのか。
短いドラマの中でこちらも様々な思いになります。
とても面白かったです。
俳優陣に関してはイケメンと言うよりもオジサマ好きな方にオススメ。
何しろオヤジばっかり←私は好き
慶余年の出演者が目立っていたのはスタッフか制作会社かぶりなのかしら?