あおの華流記

中国ドラマ感想記……というか"萌え"と"愚痴"を語る

三体



チャン・ルーイー

ユー・ホーウェイ

チェン・ジン

ワン・ズーウェン

リン・ヨンジエン

リー・シャオラン 

 

 

 

 

原題  三体(全30話)

 

 

 

 

 

 

ネタバレな感想なのでご注意!

結末まで感想ネタバレしてます。

キャラクター生死を含めネタバレOKな方のみどうぞ

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

正直に言うとこのドラマを見るつもりは無かったのです。

小説「三体」に手を付けたのはしばらく前です。

一年は経たないけど、半年以上前かな?

一冊目の半分以上まで頑張ったのですけど脱落。

 

なんと言っても「物理」が苦手なのです。

理数は全て苦手。

その中で一番の苦手が物理。

この話には終始その物理がついて回るので、頑張ったのですけど駄目だった。

 

しかし、物理苦手だけどこの話はかなり面白かったよという感想を他から聞いて、いつかまた挑戦してみるか?という気にはなってた。

そして再戦。

同時に解説して貰う気分でドラマも同時進行したらどうなのかと思いました。

図解というわけじゃないけど、映像で説明見たら少しはわかるかな?と。

 

実際はわからなかった。

しかし映像はゲーム三体のこととか、やはり図解の説明資料的な役割にはなってくれた。

文章で想像しても、実験の様子とか、その他現象の具体性は今回物理苦手の乏しい知識では補えない。

その助けにはなってくれました。

そんな理由でドラマをおすすめします。

 

アドバイスとしては、物理苦手な人にはどうせわかりませんから、わからなくても聞き流すか、何なら飛ばしてみることです。

問題はそこじゃないから。

 

ドラマの29話見て下さい。

小説の1巻部分のドラマなので、解決したわけではないですが、この巻の最終局面に近いクライマックスです。

主人公が研究してるナノマテリアルの力で敵方をやっつけるシーンです。

 

言っておきますが、まだ宇宙人は来てないので、地球の人間の中で宇宙人崇拝してる人たち。

変な宗教みたいな、テロリストのようになってしまった人たちをやっつけるわけですが、その時に大仕掛けをします。

敵が大型タンカーみたいなのに乗っているのですが、その船を真っ二つどころが50センチ間隔のスライス切りにする。

なにそれ?と思うでしょうが、そこだけ見ても面白いはず。

 

 

 

いきなり最終局面を語ってしまいましたが……

物理の話ではあるのですが、キモはそこじゃない。

 

一言で言うと、宇宙人に信号を送って「地球を滅ぼして」と呼びかけてしまった顛末です。

 

 

正確には「滅ぼして欲しかった」わけではないようですが、結果──そうなってしまったと言うべきか。

そのもろもろの経過と顛末のお話です。

 

話のスタートは中国の文革時代に遡ります。

わからない人はざっくり調べて下さい。

その時に犠牲になったというか巻き込まれた少女時代を送り、その影響でその後何年も不遇というよりは虐げられた科学者がいました。

そのおばさんはすごく優秀。

そして父親も旦那も娘もみんな科学者。

このお話の登場人物はほぼ九割ほどが科学者です。

 

そのおばさんはたぶんすべてを諦めてるという感じだったけど、心の底では世の中を呪っていた。

そして優秀だったから70年代という古い時代に宇宙へメッセージを送ることが出来てしまった。

↓若かりし頃のおばさん

 

最初のメッセージの返信は、

"こちらに知られると侵略されるからメッセージなど送ってはいけないよ"と言う趣旨の善人な異星人からの返信だったけど、おばさんは周りに失望していたから"この星に来て地球人を矯正して欲しい"と望んだ。

 

ここで疑問だったのよねぇ。

なんで異星人が来て、地球を救うどころか全滅させると思わなかったんだろう?

力がある者が征服するのは自然の流れなのにね。

横暴な宇宙人が来る可能性があるとは思わなかったんだろうか?

そもそも善良な異星人が忠告までしてくれたんだから、やはりこのときは滅んでしまえと思っていたとしか思えない。

 

 



通信したけれど、一番近い星でも四光年離れてるらしいよ。

通信の片道だけでも何年も掛かるらしい。

まぁこの程度の知識は義務教育受けてる人ならだいたいわかる。

物理関係なく常識として分かります。

通信できたとしてもそんなに簡単なことじゃない。

 

 

結論として「三体」と名付けた星から攻めてくるらしいけど、400年ほど掛かるらしい。

今来るわけじゃないけど、あちらさんは既に出発してる。

しかもそれを知ってるのはカルト集団のような「人間は最悪だ、地球のためにも人間なんて滅んだ方がマシ」という考えの集団の幹部だけ。

 

例のおばさんの通信のことをその後知った人たちです。

 

 

異星人達は地球という環境の良い星があることを知った。

彼らの星は酷い環境。

この辺りの事情を「三体」というVRゲームで知ることが出来るというのも面白い。

作中で体験するゲームの世界が何割か占めているのも現代ドラマだね。

とにかく過酷な環境。

移住したくなるのはわかる。

 

 

 

 

でもって異常を知ったのが主人公の科学者。

ナノマテリアルの彼です。

科学者たちが次々と謎の死を遂げている。

一応自殺なんだけど、科学者たち……特に物理化学の人たちばかりが連続で死んでいくのは異常。

実は三体世界の人たちが、400年かかって地球に辿り着く間に、地球の科学力が自分たちを超えないように抹殺していたという事情がある。

 

 

徐々に知るところとなり、ミステリーも絡んで謎を解き明かすけど、辿り着けばなんと四光年先の宇宙から地球を奪いに来るという、とんでもない話だった。

さてどーする?と言うお話なんです。

 

 

科学者ってすごいなとか、天才って居るんだなとか、そんな人たちにも悩みがあったり、普通に生活してたり、普通じゃなかったり、様々です。

もちろん庶民の私たちだって攻めてこられたら困るし。

普通になにそれ?と見ていて思います。

 

 

人間に失望してる人たちのこともわからなくは無い。

環境破壊とか、戦争とか。

個人の努力ではどうにもならないことが多過ぎる。

強大な力に頼って全部ぶっ壊して貰いたいと思ってしまってる。

それは誰に責任があるんだろうと思うし、SFなテーマで有りながら、妙に身近で個人的なテーマなんですよ。

壮大かと思えばそうでもない。

物理の話を取っ払ったら人間くさい話なのかも。

 

科学者のおばさんの悲哀とかね。

日本ではなくて中国の70年代の話なので、まあ酷かったんだろうなと思うし、今も大して変わらないんじゃ?とかも思うし、お国が違うので事情が大分違います。

 

 

ドラマは30話までで、これは小説三部作の一部までなので途中と言えば途中です。

区切りは付いてます。

 

最後のシーンで終始出ている刑事が科学力の前に無力になってる科学者二人を引っ張って故郷に連れて行くんです。

刑事の故郷は蝗害……いわゆるイナゴの被害が未だにすごい。

そこで刑事は言うのです。

三体世界と地球の力の差と、このイナゴと人間の力の差はどちらが大きいんだ?

未だに人間はこの虫を追い払えないんだ。

虫けらは人間に負けていないんだぞ!と。

裏を返すと虫にも勝てない人間なんじゃ……

冒頭からずっと虫の映像が出てくるのはこのラストのせいかと最後にわかります。

 

それは三体世界の奴らが地球人のことを虫けらと言ったからですね。

俺らは虫よりはマシなはず……と。

科学者二人が勇気づけられたシーンで終わりました。



 

 

小説も同時進行して二回目はあっさりクリアしました。

続きも読もうと思ってます。

やはり面白かったです。

 

興味のある人は、物理を恐れずに挑戦してみてください。

ドラマは見やすいと思います。

Netflixでもやっているようですが、中国ドラマ版の方が原作に近いです。

何しろそのままだからね(ネトフリは舞台を変えてるらしい)

 

 

 

 

 


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